
column
断熱屋さんのコラム
高校生の頃、親父からよく言われていた言葉があります。
「人にとって、一番大事なのは“信用”だぞ。」
その頃の私は、正直なところ、その意味を深くはわかっていませんでした。
約束の時間に少し遅れてしまったり、できるかどうかわからないことを、つい「大丈夫だよ」と言ってしまったり。
「あとでちゃんとすればいいか」「これくらいなら平気だろう」と、軽く考えていたところがあったと思います。
そんな私に、親父は静かに、そして何度も同じことを伝えてくれました。
「自分の行動は、自分だけじゃなく、周りの人にも影響するんだぞ。」
「信用を得るには時間がかかるけど、失うのは一瞬なんだ。」
そのときは、どこか遠い話のように聞いていた気がします。
けれど、大人になり、仕事や人付き合いの中でいろいろな場面に出会ううちに、
親父の言葉が、少しずつ心の中で形になってきました。
信用というのは、とても静かなものだと思います。
大きな声で主張するわけでもなく、派手な出来事で一気に手に入るものでもありません。
・約束した時間をきちんと守る
・できないことは、ごまかさずに正直に伝える
・相手に迷惑をかけてしまったら、素直に謝る
そんな、日々の小さな行動の積み重ねの中で、
「この人になら任せても大丈夫だろう」という安心感が、少しずつ育っていくのだと思います。
反対に、信用を失ってしまうのは、本当にあっという間です。
ちょっとしたごまかしや、いい加減な返事、
「まあいいか」と流してしまった行動が、知らないうちに相手の心に引っかかりを残してしまいます。
一度「大丈夫かな?」という不安が生まれてしまうと、
それを消すには、また長い時間が必要です。
言葉だけではなく、その後の行動で、何度も何度も「大丈夫ですよ」と示していかなくてはいけません。
だからこそ今は、
・安易に「できます」と言わないこと
・守れない約束は、最初からしないこと
・誤解が生まれそうなところほど、丁寧に説明すること
この三つを、自分なりの小さなルールとして心に留めています。
若い頃には、「ちょっとうるさいな」と感じていた親父の言葉も、
今振り返ると、あのときに何度も何度も伝えてくれたおかげで、
今の自分の考え方や行動の土台になっているのだと思います。
信用は、一瞬で失ってしまうこともあります。
でも、時間をかけて育てていくこともできます。
今日や明日の自分の行動が、少しずつ未来の自分の「信用」をつくっていく。
そんなことを思い出しながら、これからも「信用第一」という言葉を、
静かに、自分の中で大切にしていきたいと思っています。